逃げ出してしまった犬を捕まえられない!「こい」と読んだらすぐに来るようにしつけよう

「こい」と呼んだら、何はさておき、犬があなたのところのとんで来るようにしつけておくことは、いろいろな場面で役に立ちます。

反対に飼い主が呼んでも来ない犬というのは、「主従関係をつくるトレーニング」ということを別にしても、とかく面倒なことが多いだろうということは、どなたにも想像がつくと思います。

安全な場所であればまだいいのですが、もし外で何らかのトラブルが発生して犬が逃げ出してしまったとき、つかまえられずに犬の姿を見失ってしまったとしたら、一体どうなるでしょう? よって、「こい」もまた、外せない基礎的なトレーニングだと言えるでしょう。

これは、犬が幼いときから、餌をあげたりおやつをあげたりするときに、飼い主が自分の膝をたたいて犬に示し、それから両手を広げて「こい」と呼びます。



膝をたたいて、両手を広げて「こい・おいで」と言うことで、呼べばあなたのところに飛んでくるようになる

もちろん、食いしん坊の犬は喜んでやって来ることでしょう。速やかに「こい」を覚えてくれると思います。

あるいは、家の中や庭で遊んであげるとき、同じように飼い主が自分の膝をたたき両手を広げて「こい」と誘い、飼い主のところにきたら、おやつをあげて、たくさんほめてあげるということを繰り返します。

こういう「“こい”と呼ばれて飼い主のところへ行くとうれしいことがある」ということが体験的にすりこまれることが、「こい」の素地をつくっていくのです。決して「こい」と呼んでから、「すぐに来なかった」と叱ったり嫌なことをしたりということはしないでください。犬はなぜなのかわからず混乱し、「こい」が嫌なものだという記憶を残してしまいます。

いったん嫌なものだという認識が生じてしまうと、その後の修正で苦労することになってしまうので気をつけてください。いったん嫌なものという認識ができてしまった場合、「こい」という指示語を捨て、「おいで」や「COME(カム:英語で「来い」の意)」など、別の指示語を使って教え直すところから始めなければならないこともあります。

ここで重要なポイントをあげます。もしも「こい」と声をかけても来なかった場合、決して犬を追いかけて捕まえてはならないということを覚えておいてください。追いかけてしまうと、犬にとっては「鬼ごっこ」というこれまた楽しい遊びとなってしまいますから、「こい」と言われて「逃げたらおもしろい遊びができる」と学習してしまいます。つまり「こい」が、「追いかけるよ、さあ、逃げなさい」の指示となってしまうのです。

そういう誤解が生じてしまったら、捕まえたくとも捕まえられない飼い主をからかうという様子も、そのうちに見えてくるでしょう。大体、走るのが速い犬を、飼い主が追いかけて捕まえられるものでもありません。犬に優越感を味わわせてしまったら、この後のしつけがかなりやりづらくなってしまうのは間違いのないところです。

それでは、「こい」と声をかけても来ない犬に対してはどうしたらいいのでしょうか? それは、すぐに飼い主さんが犬の側を離れて別のところに行ってしまったらいいのです。

幼い犬は心細くなって、飼い主を追いかけるはずです。成犬でも、これが非常に効果的です。というのは、自分のリーダーである飼い主に見捨てて行かれてしまうということは、群れから追い出されてしまってひとりぼっちになってしまったのと同じことだからです。

犬は群れに入れないことを本能的に恐れます。仲間を失うことを恐れます。飼い主に見捨てられるような行いは、次からは何もなかったかのように改めることでしょう。たとえすぐに忘れてしまいケロリとするような犬であっても、何回か同じことが繰り返されたら懲りて、何がいけないのかを悟ることでしょう。

さて、日常的に「こい」ができるようになったら、「すわれ」から「まて」のところで学んだことを応用して次段階のトレーニングに入ります。「ふせ」「まて」と指示して飼い主が犬から離れていき、十分に離れたら「よし」「こい」と声をかけるというわけです。

それでは、基本的な「主従関係をつくるトレーニング」はとりあえずこのくらいにして、次は「主従関係をつくるトレーニング」をさらに続けながら、個別のしつけをしていけるようにお話をしていきましょう。

なお、犬を「いけない」と叱るとき、「いけない」の前にその犬の名前をつけないでください。あるいは、犬の名前を、たとえば靴をかじっている犬に向かって「○○ちゃん!」などと叱る意味で使わないでください。犬が、自分の名前を叱られる意味だと勘違いしたり、「○○ちゃん、いけない」が自分の名前だと誤解してしまったりしてしまいます。

また、犬の健康のために、ごほうびのおやつはごく少量ずつ、犬に合った質のよいものをあげるようにしてください。おやつといっても、犬がごほうびとして喜んで食べればよく、いつものドッグフードを利用してもいいのです。人が食べるようなカロリーの高いスナック菓子や甘いお菓子、塩味のついたチーズなど、味のついたものは犬には向かないので避けましょう。

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