家の中でマーキングする犬に困っている!やめさせる方法は?

Q:ミニチュアダックス(雄)、3歳です。少し前から家の中でのマーキングがひどくなり、困っています。マーキングを防ぐ方法をご指導いただければ幸いです。

A:マーキングについては、基本的に、一般的なトイレのしつけとは別ものと考える必要があります。

ご相談者の場合ように、これまでなかったことが突然始まった場合は、まず、“うちの子のマーキングの条件”を分析してみましょう。これまでと違う状況が犬の反応を引き起こしている場合が多いからです。そして、原因がはっきりしたほうが、当然、対処しやすいということになります。

たとえば、シーズン中(発情期)のメス犬が近くにいたり、我が家に新しい家族や犬が増えたり、欲求不満があったり、飼い主さんと犬の関係が不安定になっていたり、飼い主さんの注意を引いて遊んでほしかったりと、犬の立場になってみれば重大な変化が起きている可能性が高いのです。いかがでしょうか?

近くにいる発情期のメス犬の影響だったら、そのメス犬から遠ざけるとか(ご近所の家で飼われているメス犬が発情しているならどうしようもないかもしれませんが)、欲求不満や寂しさ、ストレスなどが原因となっている場合は、運動や遊びを十分にさせて欲求不満やストレスを解消させるなどの方法で、マーキング行為を弱めていくことができます。

実は、これまで述べてきたこと以上に、重要なポイントがあります。このミニチュアダックス君ですが、家の中が彼を中心に回ってしまっているということはないでしょうか?

犬というものは上下関係を本能的に重視しますし、家族を群れととらえて自分の精神的なものを含めた居場所を確認するものなのです。ですから、飼い主さんや家族が犬の上位になるように位置づけることに成功している家庭では、その性質や能力によって程度の差があるものの基本的に犬は人間に従うため、問題行動を起こすことはほとんどないのです。

ところが、「主従関係をつくるトレーニング」がうまくいっていない家庭では、犬自身が混乱して優位意識を持ち、わがままな王様状態に陥ってしまいがちなのです。

一般的には気づきづらいかもしれないのですが、散歩のときであっても、犬が自分の希望する場所で好きなようにマーキングをするのを待ってあげ、その上、飼い主さんが「おしっこしてくれてよかった」と喜んでいる様子を見せたりすることは、要注意です。

マーキングの持つ意味をもう一度考えてみてください。テリトリーの誇示です。縄張り意識の表現の最たるもののひとつです。よって、①犬自身がマーキング場所を選んでマーキングすることを認められている ②マーキングのために飼い主を待たせることが認められている ③マーキングを飼い主が喜んでいる-こういう条件では、犬が「自分のほうが地位が上」「テリトリーでのマーキングは当然の行為」と犬が思いこんでも無理はありません。そして、家の中も彼のテリトリーとなってしまっているのです。だから、自分のテリトリーと認識している家の中であちこちにマーキングをしてしまうのです。

思いあたることがありましたら、しつけをやり直してみることをお勧めします。

ミニチュアダックスは小さくてかわいいし、好き勝手にさせていても大きな犬と違ってあまり困ることがないですから、飼い主さんのほうも甘やかし放題で犬の主張や要求を聞いてあげていることが多いと思います。

しかし、犬と人間は違うのです。どんな犬に対しても、飼い主さんがしっかりとしつける必要があります。犬のほうも、その習性から、しっかりした人間のリーダーとの信頼関係で結ばれるほうが精神的に安定するししあわせなので、犬に厳しくするのを遠慮する必要はないのです。

家の中でも外でも、必ず飼い主さんが主導権を握ってください。マーキングについても同様です。リーダーたる飼い主が、下につくべき犬がマーキングする(=テリトリーを主張する)ことを許さないという強い姿勢を見せればいいのです。

次に、マーキングをやめさせるための手順をご説明します。きちんとした上下関係を築いた上で、犬におしっこをしてよい場所とだめな場所をはっきり覚えさせていくというのが基本です。

残念なことに、オス犬が一度片足をあげてのおしっこを覚えてしまったら、なかなかやめさせられるものではありません。家の中では、足をあげてのおしっこに対応したオス犬専用のトイレをひとつ準備してあげてください。そして、そこでできたらほめてあげます。

その他の場所でしそうになったら(においを嗅ぐなど兆候が見られるはずです)、強く厳しい口調で「いけない」「まて」という声をかけ、実際にしてしまう前にトイレに連れて行きます。犬をトイレに連れて行ったあと、「トイレ」「よし」と許可を示し、うまくトイレでおしっこができたらほめてあげます。

もしもトイレ以外でマーキングをしてしまったら、飼い主さんは、その行為に反応をみせないでください。犬と目も合わせないようにして徹底的に無視し、きれいに拭き取って消臭スプレーをかけるようにします。

おしっこのにおいが残っていると、犬はそこでまたおしっこをしてしましますから、小さく飛び散ったものまできれいに拭き取ってスプレーをかけ、においを残さないことがポイントです。

散歩のときにも、犬がマーキングのために立ち止まってクンクンにおいを嗅ぎ始めても、そこで歩くのを止めてはいけません。しばらく先まで歩き、そこで「エンプティ(おなかの中をからにしなさいという意味)」でも「トイレ」でも「シシ」でもいいですから、必ず排泄を指示する言葉をかけて犬が排泄するまで待っています。そして、そこで犬が無事に排泄できたらほめてあげるのです。

最初は大変かと思いますが、余裕をもって散歩の時間を取り、犬が選んだ時と場所でなく、飼い主が選んで犬に許可した場所で許可したときに犬に排泄させるように努力していってみてください。

このようにして、リーダー(飼い主さん)の快・不快、許可・禁止を犬に教えていきます。

また、マーキングをしているまさに現場を見つけたときには、飼い主がやっていると犬に気づかれずに、大きな音などによって驚かせることも非常に効果があります。小石を入れた空き缶などを、犬にあたらないようにしてすぐそばに投げつけるのです。

なお、マーキングを防ぐには、去勢手術が効果的です。

しかし、個体差があり、6ヶ月から完全に成犬になる以前の若いうちの手術で効果が認められるのは半分以上。すでにマーキングを覚えてしまった成犬に対する効果は、それよりも低くなっているようです。

ただ、これは一般的なマーキングについて言っていることですので、ところかまわずマーキングをしまくるような行為に対しては、しつけも一緒にしていったならかなり効果が見られるはずです。

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